TLN003 山崎元さん ライブレポート

今回の金融危機の本質を理解し、今後の景気対策を考えた2時間

■事業仕分けについて

山崎元

  • 「過去のデータに基づき未来を予測し、全てが下がったことはないのでリスクはあるけれども 皆が同時に返せなくなることはないので大丈夫だろうと考えていた。」
  • 「格付け会社は、格付けした相手からお金をもらい、1回依頼を受けると次の可能性もあるので、 そもそも甘くなる要素を持っていた。そもそも格付け自体は信用できないもので、プロに魅力のあるものは瞬間蒸発的にすぐ売れる。 売り込まなければならないという時点で、そこまでの魅力はないということ」
  • 「トレーダーが20億稼ぐと、1億5千ぐらいがボーなるとなる。サブプライムという仕組みが問題ではなく、ヘッジファンとは値上がり益から報酬を取る。 リスクを大きくとれば取るほど当たったときは大きく、外れたら自分のお金ではなく、 せいぜい首になる程度なので、取れるだけリスクをとろうとすることが問題だ」

山崎さんのコメントは、理屈だけでなく、人の心理を含めたビジネスの構造を加味したコメントで一つ一つ納得がいく。
しかし、外資の金融は大きく儲け、ある投資銀行などでは、新入社員のボーナスが一千万のレベルという話もあった、 彼らは大きなお金を得たが、運用を任せていた顧客は大きく損をしたってことで、金融の報酬システムにはどうしても疑問を持ってしまう。

■金融危機後の回復策は?

TLN003_山崎元さん

  • 「バブルが起こったとき、金融緩和してもう一回程よいバブルを起こすというのが有効。 そして、バーナンキの選択肢は、金融緩和しかなく、ドル資金の供給を行っている。」
  • 「しかし、アメリカでの金融緩和は、アメリカの効果だけでなく、香港やシンガポールの不動産が上がったり、金が上がったりする。 金融緩和すると自国だけでなく、外にも効果が流出するから、世界の各国が一緒に動く必要はあるが必ずしもそうなっていない。」
  • 「日本では、中国の景気が良くなり計算外のファクターとして利いている。 しかし、生産は、「108」が「70」まで落ち込み「85」ぐらいに戻った状態で、まだ20数%は落ち込んだままの状態で、ショックは まだかなりある状態と考えられる。」

■ゆとり教育の真の狙い

TLN002_寺脇研さん

  • 「需給ギャップの解消も簡単ではないし、デフレ解消も難しいが、対応する金融政策はいくつかある。」
  • 「一つは、金融緩和だが、いまは、金融緩和してお金を借り易くしても、銀行が貸したい会社は借りず、 そうでない場合は、借りたいという問題が起こり、有効に機能せず、資金需要が起きない。」
  • 「もう一つは、銀行の国際を日銀が買い取る方法。今は残存期間が一年の国債しか買っておらず、 効果はでていない。しかし、10年国債などを買うと金利が下がるリスクがあるので、実行できない。」
  • 「さらに、円相場に介入して円安にし、輸出の刺激、国内労働の単価を修正する方法。しかし、 しかし、自国のために為替に直接介入するというのは賛成ではない。」
  • 「国が国債で調達して給付金で渡す、減税する、公共事業を行うという方法がある。 40兆はすぐには埋まらないがいくらかは埋まる。」
  • 「資金需要を喚起することで、デフレは緩和される方向に向かう。 日銀がリスクをとる、財政赤字を大きくする。という二つの方法がある。 財政的に国が借金を増やすとすると、「インフレ」「将来の返済能力がなくなるのではないか」 という懸念が指摘されるが、日銀は金融を緩和し、財政を拡大しインフレに傾くのであればよい。 物価が上がり始めたときに止められるかは分からないが可能性はある。」
  • 「不景気のまま金利だけが上がることはないので、国債の金利が上がるときは、お金も増えてるし、。 デフレを程よく抑えるのがよい。日本の国債は外国人6%が アメリカは40数%であり、日本国内で持ててる、税金を上げればよい。 韓国、アルゼンチンは外のお金が相当入っていて、突然引き上げたから起こった問題である。 日本の債務残高は少なすぎるという考え方もある。国債がある程度の残高があるのは問題ないが 国債償還のために国債を発行するのは問題。」

■憲法には、教育は義務であり権利である。義務は親が子供に対して負うものであるとあるが、そのあたりの議論がなされずに子供手当ての議論が進んではいないか

TLN003_コムカフェ音倉

  • 「すっきりしないけど回復すると思う。株について言えば、FRBは金融緩和を 失業率が顕著に下がらないとやめられないので、今買ったほうが面白い。」
  • 「資金が新興国に回っていき、実物経済でも日本経済にプラスであり、最も 嫌われた状態にある日本株は望ましい。」
  • 「株は、やってる、やりたいという人が二割ぐらいがよい。日本株は、低成長で あることが十分に株価に織り込まれているかどうかが問題で、現在思われている レベルとのギャップが重要であり、人口が増えない、当面低成長、鳩山内閣の問題などは、 相当の程度分かってきた。良い社長に変わった時に、上がると思うか、下がると思うか という問題だと思う。」
  • 「金利が上がり始めて何回目かで考えるべきで、金利がボトムで株価の下落を想定するのはおかしい。 二番底があれば、選挙もあるのであわてる。実態の若干の回復、実体経済に先行した回復があり、 直ちに売るのではなく、持っておくべきではないだろうか」

実際のトークライブでは、亀井大臣の徳政令に関する質問をきっかけに、大臣の勘がさえているという話から、郵政の人事問題、格差の中でも所得の再配分、ベーシックインカム、年金の話まで広がりました。
今回も話のペースが速く、ついていくのに努力が必要でしたが、情緒的ではなく、事実をベースに淡々と分析の基づく事実ベースでの話は、大変面白く聞くことが出来ました。 個人的には、『事業仕分けは、復活折衝を公開したら良い』というコメントが印象に残りました。
言われれば成る程!なんですけど、本質を突いてると思いました。